韓国ドラマ「朝鮮弁護士」第13話・第14話:弁護士ウ・ドファン、法ではなく権力に頼る痛恨のミス

2023年10月08日17時40分ドラマ
©2023MBC

KNTVにて日本初放送中の「朝鮮弁護士」(原題)は、ウ・ドファン主演の法廷ロマンス時代劇。第13話「花が散る(上)」と第14話「花が散る(下)」のあらすじと見どころを紹介、KNTV番組サイトで予告動画が公開中だ。(ネタバレ)

「朝鮮弁護士」(原題)は、朝鮮時代を舞台に、亡き両親の復讐を誓いながら民を助ける破天荒な弁護人カン・ハンスの恋と成長を描く法廷リベンジ・ロマンス時代劇だ。



【「朝鮮弁護士」を2倍楽しむ】では、時代背景やキャストの紹介、放送にあわせて各話のあらすじと見どころ、豆知識など紹介していく。

■キャスト押さえておくべきキャスト8名を画像付きで紹介
カン・ハンス役:ウ・ドファン
イ・ヨンジュ役:キム・ジヨン
ユ・ジソン役:チャ・ハギョン
ユ・ジュセ役:チョン・ホジン
イ・バン役:イ・テゴム
ウンス役:ハン・ソウン
 ほか

■第13話「花が散る(上)」あらすじ
「父上の負けです」ジソンの言葉を鼻で笑う院相ユ・ジェセは「空いた席は埋めればいい。この世に永遠の関係などない。親子関係以外にはな…」と言い返す。

翌日、ヨンジュからの情報を手掛かりに南村の酒店に出向いたハンス。突然の兄の来訪に驚くウンスは顔を背け、部屋から出てきたジソンにしがみついたまま部屋に通す。

ジソンまでが来店していることで店とジェセの関係を確信したハンスは、「公主との婚姻を控えているのに…」とジソンに嫌味を言う。酒を運んできたのが別人だと気づくハンス。訳ありと察したジソンは「この女だ」と調子を合わせ「父が命を救って妹のような関係だ」と説明。父親と敵対するヨンジュと婚姻する彼の気持ちが分からないハンスは、「院相と公主のどちらの味方に付くのか、婚姻前に答えを見つけてください」と決断を促す。

ジソンはウンスに隠れた理由を訊き、ユ・ジェセの命令でハンスを窮地に陥れたことがあると答えるウンス。ジソンからジェセこそが両親を殺した仇だと聞き、ジェセに騙されていたことに気づく。

大妃はソウォン閣を壊しにやって来るが、ホン氏の麻浦の民のために見逃してほしいという懇願に今度ばかりは見逃すことに。ところが柱の陰にハンスがおり、さらに裏口からヨンジュがやってきた。「ホン氏は、あれ以来公主は一度もここに来ていない」と申し開きし、ハンスがヨンジュの手を握ってその場から逃げ出す。

大妃とホン氏の会話からジソンとの婚姻が自分を守るためと知ったハンスは「なぜ黙っていたのか」と責める。「この婚姻が国のためでもあり、それが王室のやり方で公主の責任」と答えるヨンジュ。ハンスは、何が何でも院相に復讐するというヨンジュの気持ちを危険視ししていたのだ。「婚姻するな。俺が許さない」ハンスの言葉に、「本心が聞けて良かった」とヨンジュ。「お前は俺にとっては“ソウォン”だ。守るから…お前も約束を守れ」と言う。ヨンジュはかつて交わした「ずっと一緒です」の自身の言葉を思い出しハンスに口づけする。

王宮に戻ったヨンジュを大妃が待っていた。ジソンと会っていたとごまかし、ヨンジュの上着を持って現れたジソンが話を合わせてくれる。

上着はハンスと逃げるときに落としたもの。気まずいヨンジュを、ジソンが庭へ連れ出す。ハンスが酒店でのことをヨンジュに伝えていないことで、変な誤解をしていると考えたジソンは「酒店の女性は妹のような存在」と伝える。「ジソン様を恋慕しているのですね」と彼女の心情を察するヨンジュに、「公主にとってはハンスがそういう人なんですね」と話す。そして酒店でのウンスの態度から、ハンスと彼女の間に何かあるはずだと言うジソンに、ヨンジュはハンスの妹の存在を口にする。

ジソンは部下にハンスの妹について調べさせる。その頃ウンスは右議政イム・サンホを利用してジェセに復讐することを考える。

ヨンジュは、「ユ・ジェセへの不満がたまっている今、勲旧派を揺さぶろう」と王に相談する。「院相に打撃を与えられる大物がいる」と王の言葉と共に、左議政チェ・スヨンが弘文館の役人たちと共に入室する。
※弘文館(ホンムングァン):王宮の文書などの管理や王にアドバイスをする官庁。三司の一つ。

王が任命した人事にジェセが異議を唱える。すると左議政が王の人事の正統性を述べて反論。王も不適切な奔競(人事への口利き)の一件を持ち出し、「不正な人事を正すだけで、人事に口出すするつもりはない」と、任命式を続ける。あからさまに左議政が王の側についたことや、ジソンが公主と婚姻することで院相への求心力が弱まっていく。

右議政に薬を嗅がせて帳簿の在処を聞き出したウンスは。ジェセの部屋に忍び込んで探すが、見つけたのは亡き父カン・オンジクの上疏文だった。

部屋を出た彼女を「ウンス」と呼びかけ、振り向いたことでハンスの妹と確信するジソン。ジェセが帰ってきたことでウンスをその場から連れ出すが、ジェセはウンスが落とした銀粧刀を見つける。

ジソンは跪いて父の代わりに謝罪する。これ以上父がお前たちに非道を働かないように、去ってほしいと頼む。ウンスは「あなたは父上と別人。一緒に罪を背負わないで」とジソンを抱きしめる。ジソンは「お前が安全で平凡に暮らせるよう守る」と約束し、ウンスはそれに従うと答え、兄に挨拶したいと願う。翌日、船に出向くが、ハンスは不在。船を見渡し父の上疏文を宝箱に入れて立ち去る。

その頃、ハンスはヨンジュに「時間がかかってもいいから、俺のところへ来い。今生でなくてもいいから」と伝えていた。「今世なくても、夢の中でもいいからあなたと生きたい」と答えるヨンジュ。

その時、市中で殺人事件が起きる。男は王が任命した弘文館の若手官吏。痴情のもつれによる殺人事件で、相手は南村の酒店を営む女。他にも官吏と姦通していると報告される。その中には王が任命した官吏もいた。これはウンスの裏切りに気づいたジェセが、彼女を切り捨てようと、チョ客主を使った奸計だった。

これによりウンスは逮捕されてしまう。王はハンスを呼んでアドバイスを請う。獄中のウンスに会った王は「お前は死ぬ。最後に言い遺すことは…」と告げる。ウンスは「同じ人間なのになぜ玉座に上がるために多くの血が必要なのですか。なぜ私の両親が非業の死を遂げたのですか」と涙で訴える。

酒店の女がハンスの前に現れ土下座して助けを求める。そこに妹の品を見つけたハンスは、捕らわれたのが妹だと気づき獄中のウンスに会いに行く。

■見どころ、感想
この回は世話になった院相ユ・ジェセへの恩返しのために、女の身を使ってまで協力してきたウンスが、騙されたことに気づく。ジソンも父を止められないことに絶望する。やりきれない思いを酒に紛らわせてジソンが向かう先はウンスの酒店。今のジソンを温かく出迎えてくれるのは彼女しかいない。ウンスのお陰で片想いの辛さや多くのことを知った。ウンスにとってもジソンだけが心の拠り所だった。2人のそれぞれ叶わない恋心、そして父の蛮行のために跪いて謝るジンソがあまりにも辛い。

ジソンが公主と婚姻することで院相への求心力が弱まっていくが、これは公主と婚姻を結ぶことで王族の一員となるジソンには今後、働くことが許されないから。そうなると勲旧派としては心強い味方が朝廷から消える。ジェセはこの法律を変えようとしていたのだ。

実際の朝鮮時代には第7代の世祖(首陽大君)の代までは王族も官職についていた。首陽大君自身も王になるまでは領議政などの職を歴任している。世祖は自分が簒奪より王位についたため、子や孫の時代に再び類似した状況が起きる可能性を鑑みて、王族には政治に関係のない官職が用意され、政治実務から遠ざけたのだ(参考:朝鮮王朝第7代王・世祖は王位簒奪者)。



■第14話「花が散る(下)」
ウンスを利用したと責めるジソンに、父ジェセは「カン律官を始末したのは、大臣の怒りを鎮めるための大妃の決断。先王の代わりに現王を据えたのも大妃だ。先王の娘と婚姻するお前にとって王室は仇。復讐でもするか?」と問う。ジソンは父との決別を覚悟する。

その頃、悲しい再会を果たした兄妹。獄中のウンスは妹と悟られないようにしたが、こらえきれずに「兄上、ごめんなさい」と涙で謝る。そして「濡れ衣ではない」と罪を認め、ハンスは「この国は腐りきっている。お前を殺そうとする王をなんとしても止める」と泣き叫ぶ。

ハンスはジェセの元へ向かい「俺がお前をぶっ殺してやる」と叫ぶ。ヨンジュも王に、ウンスがハンスの妹でジェセに利用されたのだと伝える。だが王は「官吏が女に弄ばれることのないよう見せしめとする」とあくまでも極刑を望む様子。

朝廷では、ウンスがカン律官の娘で地方県令の嫁だったと明かされる。裁判の場には、彼女と姦通した官吏たちも引き出される。彼らには入れ墨があった。そんな中、ウンスの自供に右議政イム・サンホが怯える。彼もまた薬とウンスの色香に惑わされた一人。右議政は入れ墨を獄中のウンスの前で焼き消した。

一方、ジソンはハンスが暴挙に出てウンスをさらに窮地に陥れないために、自分を利用するよう説得する。院相の側女と知れ渡っているウンス。王は彼女を極刑にできなければ自分を支持してくれる臣下たちに顔向けできない。そこでハンスは、男女平等の法を適用する策をジソンに授けるが、朝廷ではジソンの意見に同意する者も出てこず、王の説得にも失敗する。

右議政もまたウンスが邪魔。そこで王に謁見して「刑律(刑法)では姦通罪で極刑にはできないが、戸律(民法)なら絞首刑が適用できる」と秘策を教えた。ところが王宮を出たあたりで気を失ってしまう。実は入れ墨には熱を加えると毒が全身に回る恐ろしい仕掛けがあった。ホン氏はハンスを呼んで事の次第を説明する。

ヨンジュはウンスを極刑にしようとする王を止めようとするが、王は聞き入れない。

万事休すのハンスは王ではなくジェセに土下座して妹ウンスの助命嘆願をした。その見返りとしてチョルスから勲旧派の資金の流れを書いた帳簿を受け取りジェセに渡した。

ジェセは獄中のウンスにハンスが頼ってきたことを明かし、ウンスを逃がして身代わりを立てる作戦を話す。だがウンスは自分のために誰かが犠牲になるのは嫌だとこれを断った。

帰路、王に遭遇したジェセはハンスが自分を頼ってきたと話す。王はハンスの元へ向かい、友であり王である自分ではなくジェセを頼ったハンスに怒りをあらわにする。「どうせ王の判断は決まっていた」というハンス。「判決がいつでもかえられると教えたのはお前だ!」という言葉に、肝心な時に法(王)より権力(院相)を頼ってしまったことを深く悔やむハンスだった。

翌日、王は現行犯でない官吏数名を釈放し、入れ墨を入れた3名に重罪に科す。そして複数の男と姦通したウンスは戸律に照らし合わせて極刑を言い渡す。王はハンスに判決文を読ませた。

実はその裏でハンスは大金を使ってチョルスに縋り、ヨンジュは廃位を覚悟でジェセと取引していた。

ウンスに会ったヨンジュは公主の服を渡して逃げるように説得するが、ウンスは王と「必ず善良で強い王におなりください。院相のような奸臣を退け、民の思いを晴らしてください」と、処刑を受け入れ、約束したことを明かす。だがヨンジュは「両親の無念の死に続いてあなたまでが死ねば、兄上は耐えられない。必ず守って見せる。たとえ院相を殺しても」と必死の説得を試みる。ヨンジュの兄への恋慕を認めたウンスはある頼みをする。

だが、ヨンジュが部屋を出た後、ウンスは自害した。駆け付けた兄ハンスの腕の中で「兄上が誇らしい」と告げ、ジソンに感謝の言葉を伝えて涙で息を引き取った。ウンスが遺した手紙には「私の死は兄上にさらなる恨みを残してほしくないから。私が嫁ぐ前に交わした言葉を覚えている?」と綴られていた。

少女ウンスは人間らしく生きることが夢で、受けた恩を必ず返すことを信条としていた。だからこそ、両親への恩義から顔も知らない両班の家に嫁ぐ決心をしたのだ。院相に対しても世話になったことへの恩返しで尽くし、信じた。「愚かだったけど後悔はしていない」と書き残した。

ハンスは実家にウンスを埋葬し、ジェセは1人ウンスの弔いをしていた。実はジェセは獄中のウンスに会った時、ハンスが早まった真似をする前に、お前が決断しろと、銀粧刀を渡していたのだった。

王は、釈放した3人を復職させる。そして臣下たちに過ちを正し心を新たにするなら再登用もあることを示した。女性だけが極刑にされ男たちは命拾いだけでなく復職までさせる王のやり方に反対するジソンは、職を辞す覚悟を決める。

ショックで床についていたウンスは、起き上がってジソンの元へ出向き「私と結婚してくださいますか」と願う。

■見どころ、感想
院相ジェセのあまりにも悪行ぶりに吐き気をもよおす。そんなジェセに恩義を感じ恐ろしい手口で官吏たちからジェセのために情報収集していたウンス。入れ墨の「恩」の字が辛い。

ウンスを守るために看守に成りすますドンチ。彼はずっとウンスが好きだった。格子を挟んだ悲しい告白にも泣かされる。

荷車に最愛の妹ウンスの遺体を乗せて懐かしい実家まで運んだハンス。両親とウンスの楽しそうな幻を見るハンス。あれほど人心を読むのに長けていたハンスも最愛の妹の死を目前に、一番の味方のはずの王の心は見えなかったのか?法でなく権力に頼った痛恨のミスを犯してしまった。さあ、最終週。ハンスはジェセの命綱の帳簿をどう使うのか?

登場回数は少なかったものの、圧倒的な存在感を示したハン・ソウン(1993年7月8日~)。「潜入弁護人~Class of Lies~」「18アゲイン」に出演し、新・国民の初恋の称号を得た注目の若手女優だ。

■放送日
<本放送>8月19日(土)スタート
毎週(土)後8:00~10:30 ※2話連続
再放送日 毎週(金)前11:30~後2:00 ※2話連続

KNTV「朝鮮弁護士」(原題)番組サイト

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