「ヘチ 王座への道」テレビ東京で放送前に:時代劇初心者も第1話から楽しむために予習(時代、王様、派閥など)
いよいよ3月30日より韓国ドラマ「ヘチ 王座への道」がテレビ東京で地上波放送するが、第1話だけは史劇初心者にはチョッピリ難しい展開もあるので、初回放送前に押さえておきたいことを駆け足でご紹介、予告動画は作品公式サイトにて視聴できる。
※以下、太文字をクリックするとそれぞれのもっと詳しい解説にジャンプできます。
また【エピソード0】でドラマ前史と老論派・少論派・南人派を詳しく解説している。
■ドラマに登場する3人の王様
【拡大する】ドラマの舞台は朝鮮時代、18世紀初頭あたり。3人の王様が登場する。
(歴代王は【朝鮮王系図】を参照)
3人の王様の時代は以下の通り。それぞれ太文字クリックで王様と演じた俳優を詳しく紹介している。
・第1話~第4話:第19代王・粛宗の治世
・第5話~第17話:第20代王・景宗の治世(イ・ユン世子)
・第18話~第24話:第21代王・英祖の治世(イ・グム/延礽君)
物語は王位継承権を持ちながらも生母の身分が賤しいために臣下たちから軽んじられていたイ・グム王子が仲間と共に戦い、民のための政治をするために王(英祖)となって政治改革をしていくまでを描く。
ちなみにイ・グム(後の英祖)はドラマ「トンイ」のヒロイン(後の崔淑嬪)の息子で、「イ・サン」や「赤い袖先(原題)」主人公・正祖の祖父に当たる。
■2代党派を整理:老論派vs少論派…ときどき南人派
拡大する朝鮮時代は16世紀ごろから党派と呼ばれる政党が対立し、実権を握ると分派してまた対立を繰り返していた。(朝鮮時代の党派については【党派の年表】を参照)
ドラマの舞台18世紀は老論(ノロン)派と少論(ソロン)派の二大党派(派閥)が激しい争いを繰り返していた。第1話の少し前には、南人(ナミン)派も力を持っていたが支持していた粛宗の元王妃でユン世子の生母チャン・ヒビン(禧嬪張氏)が死罪となったために政界から排除され、朝廷に残っている少ない南人も肩身が狭い。
この時点で実権握っているのは老論だが、彼らはチャン・ヒビンの死罪を強行させており、その息子ユンが王になれば仕返しが怖い。一方、今は劣勢の少論はチャン・ヒビンの死罪を反対していたので、ユンが王になれば形勢逆転もあり得る。
そこで老論は必死になってユンに代わる王位継承者を捜す。その候補に挙がったのがイ・タン/密豊君だったが、これがとんでもないワル王子で、老論はイ・タンを推すか、別の後継者を立てるのか悩む。一方、世子を支持する少論も世子に世継ぎができないことが分かり、王の三男のイ・フォン/延齢君を推すことにするが…。
そんな中で、イ・グムを支持するのは出てくるのか? というのが前半の見どころだ。ドラマ全体の見どころについては【ドラマの7つの見どころ】で詳しく解説している。
さあ、ここまで理解すれば時代劇初心者でも「ヘチ」を楽しめるはず。ただし、注意して欲しいのは3代の王の治世を舞台にはしているが、主演のチョン・イルがインタビューで語っているように、「脚本家が再解釈した部分も多く」史実とは大きく違う(チョン・イル、インタビュー映像)ところもあるので、朝鮮の歴史をしている方には一部混乱するところもあるかもしれないが、ドラマと割り切って楽しんでほしい。
【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、ドラマの時代背景や見どころ、英祖(ヨンジョ)や朴文秀(パク・ムンス)といった実在の人物紹介などまとめている。また、韓国での評判やインタビュー動画も日本語解説入りで紹介しているので、ドラマ視聴の参考にどうぞ。
◇テレビ東京「ヘチ 王座への道」番組サイト
2022年3月30日-5月2日 月~金8:15-9:11
◇作品公式サイト
【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】